信州人のひとつ残し?関西では”遠慮のかたまり”??

 前にも紹介したことのある本「ふるさと発見!信州あるある」(加藤清志・編著・しなのき書房)の”食べものあるある”の項にこの興味深い「信州人のひとつ残し」という話しも載っていた。関連してネットで調べて見るとけっこう話題になっていた。

 ヤフーの知恵袋に、「信州人のひとつ残し」とは?「信州人のひとつ残し」という言葉を聞きました。たぶん「信州の人は、食事を少し残す」という意味だとは思いますが(そこから違っていたらご指摘ください)、なぜ残すのか? また、今でもある習慣なのか? など、なんでもいいので教えてください。−−と質問があり...。

 ベストアンサーは、−−残念ですが、あなたの解釈は違っています。「信州人のひとつ残し」とは、複数の人で、一皿の食べ物をつまんで食べていって、最後の一つになったら、それぞれの人が他の人に遠慮して、誰も手を出さずに残る。という遠慮深い県民性を表している言葉なのです。−−と載っていた。

 もっともこれ、別に信州人だけの特性でもなく、地域によってはそれをあらわす名詞があるようだ。信州に限らず、他の地域でも「○○(地名がはいる)のひとつ残し」とか「いっちょ残し」とか。関西では「遠慮のかたまり」といわれるとか。どちらかというと日本人全体の精神性なのかもしれない。私も、長い間、こういう場面に何回となく遭遇しているが、たったひとつ残ってしまったものに手を出すというのは、注目監視の中かなりの決断と勇気がいるものである。