うどんとラーメンの違い?

 
 うどんもラーメンも材料は小麦粉である。ところで自家製の手打ちうどんは聞いたことはあるが、自家製の手打ちラーメン(?)というのはあまり聞いたことがない。それは当然でもあろう。何故なら、不可能ではないが、家庭では普通、ラーメンの麺を作ることが困難なのだ。

 ラーメンの麺というのは、製麺所で小麦粉に一連の化学処理、いわゆるカンスイ処理が施されて出来上がる。このカンスイ処理というのが一般家庭ではちょっとやっかいということなのである。健康食品ブームとか、一部カンスイの成分等が問題視されたりして、カンスイを使わないというラーメンも登場したりしているが、直載にいえば、それはラーメンと称してもラーメンではない。

 なぜならばカンスイ処理をしない麺は、麺の色も薄く、コシが弱く、ラーメン特有のシコシコ感に欠け、歯ごたえもない。この食感はとても重要といわれ、長い間、ラーメンを食べてきた私たちにはとにかく物足りないものである。

  ところでカンスイとは、元来中国で麺処理に用いられた天然ソーダのことである。中国奥地には緘湖(かんこ)という湖もあり、この緘湖の水であったともいわれるのである。また木灰を水で浸出し、更にこれを煮詰めて作ったとも伝えられている。

 今日では、化学的に合成製造、厳重な製品検査に合格したものが使われているという。ともあれカンスイはラーメンの製麺には不可欠な添加物で、ラーメンの麺独特の食感や淡黄色や風味はこのせいで、これを使わないと要するにうどんになってしまうとか。だからカンスイは、特定の化学変化を起こさせるために使われれいるもので、単に習慣的に使用されているものでもない。

 このようにラーメンとうどんの大きな違いは、ラーメンには「カンスイ」を使うことで、このことは「生めん類の表示に関する公正競争規約」というものの中に、「中華めん(ラーメンのこと)とは、小麦粉にかん水、唐あく等を加えて練り合わせた後、製めんしたもの、又は製めんした後加工したもをいう」と明記されているという。

 ネットを見たら、自家製麺用のカンスイというのも出ていた。こだわるなら別だが、めんどうそう。