日本蕎麦、うどん、ラーメンは平等!

 信濃では月と仏とおらが蕎麦という。蕎麦は信州の名産、その味はよそのものと比してとりわけ旨いということのようだ。

 ところで巷間、蕎麦好き、蕎麦通っていうか、やたら蕎麦にこうるさい人、講釈する人が多い。私など、蕎麦県の信州に住んでいても、とりわけ好きということもないが、安くて量が多くて味もそれなりなら、なにも文句がない。
 
 それより、蕎麦は何故、こうも値段が高いのだろう。関係者はいろいろ高くなる理由を並べるかもしれないが、蕎麦一枚に、ちょこっと漬物がついたくらいで800円以上とは。それに、それだけではとても腹いっぱいにはならない。
 
 同じ800円の食事なら、いろいろな具がついてるラーメンの方がよっぽどいい。蕎麦自体は栄養価が高いといっても、漬物とだけでは、栄養的にも...。コストパフォーマンスなら断然ラーメンといえる。

 蕎麦は嗜好の食べ物だといってしまえばそれまでだが、高くてあたり前だというようなムードがあるとすれば問題である。蕎麦は、ラーメンやうどんに比べ一等、高尚な食べ物だというような意識が広がっているような...。特に蕎麦好きの間に...。
 
 蕎麦店主などにも、意識無意識に格が上の食材を扱っているというような意識がないとはいえないだろう。蕎麦はとにかく、産地、粉、ツナギ、打ち方、こねかた、茹で方、薬味、タレ、道具、容器など、一家言持つ人、蘊蓄を垂れる人がたくさんいる。この頃は、自分で打つ人も増えている。
 
 そんなもろもろが、”蕎麦道”と言ってもいいようなもさえありそうなムードも作っている。一種神聖化したり、なんか精神的な高みさえありそうな...。蕎麦自体は何ら罪はないのに、そんなムードにとりまかれて、蕎麦はますます傲慢になる^^:
 
 蕎麦はラーメンより、うどんより格上なんてことはありえない。そういう意識があるとしたら問題である。蕎麦はなにも特別な食べ物でもない。蕎麦よ奢るな!食材としての原点に返るべきである。