「合歓(ねむ)の花オフ会の夏よみがえる」


 インターネット全盛である。一般化するようになってもう15年ほど経つのだろうか。その間のネット人口の増加やサービスの多様化には目を見張るものがある。ところで、インターネットの始まる前に10年ほど、いわゆるパソコン通信の時代が続いた。この話は、そのパソコン通信時代の思い出である。1990年代の半ばよりちょっと前のことだろうか。

 信州の佐久市には、合歓の木の並木道があります。その花の咲いている合歓の木々に最初に出くわしたのは、ある年の夏のはじ め、佐久市にホストを置く千曲川ネットのオフラインミーティングに出かけた時でした。県内の各市町村にもいろいろな街路樹がありますが、合歓の木の並木というのははじめてでした。単独の木は道路脇にあるのを見たりしますが、街路樹で連なって咲いている様はなかなかみごとなものでした。

 それ以来、そのころになると、私がボ−ドで”・・・ねむの木の花はもう咲きましたか?..”と尋ね、地元のネットワーカーがそれに応えてくれるというやりとりが何年か続いたものです。何年か前、ネットが廃止になり、それも途絶えましたが、そんなことには関係なく、今年の夏もあの街道の合歓の木々は、せいいっぱい花を咲かせていることでしょう。