富士山と八ヶ岳

 富士山(3776m)はいうまでもなく日本一高い山である。長野県と山梨県境域に広大な裾野を拡げる八ヶ岳は同じ火山だが2889m。ところで富士山は日本列島出現以来ずうと一番高い山であったかというとそれはわからないのである。富士山は成層火山、噴火を繰り返しその堆積物が積み重なってあのように姿カタチのいい高い山になった。

 いい伝え・伝説では、昔々、富士山の神と八ヶ岳の神がどちらが高いか争いになった。それならば、ふたつの山の頂に樋を渡し水を流してみればわかるのではということに。結果、水はサラサラと八ヶ岳から富士山に流れた。これに怒り狂った富士山の神が、八ヶ岳の頂を思い切り蹴飛ばした。これで頂部分はふっとび頭部は八つの峰に割れたというのである。

 八ヶ岳はかっては富士山に負けない一つの巨大な山塊で、大爆発で山容が吹っ飛んだ痕跡があるという。少なくても標高3500mはある大きな山であったともいう。だから、今の富士山より高い火山であった可能性もある。もっともこれは、富士山が出現する前とも。これは火山学者先生の講演で聴いた話し。写真は昨日、裾野を走る高速バスから見た八ヶ岳