友人の作家、たなか踏基氏、2年ぶりの歴史小説、「櫻樹の塚」売れ行き順調!

 高校同期生で作家のたなか踏基氏の新作歴史小説「櫻樹の塚」(図書新聞社)の売れ行きがいいようだ。彼の歴史小説には熱烈なファン、サポーターがいるが、版元の話しでは、小説の舞台の群馬県ではなく、何故か関西での売れ行きがいいという。彼としては小説は10冊目の出版、歴史時代小説としては5冊目になる。

 評論家、村木哲氏が指摘するように、作者のたなか踏基の著わす歴史時代小説には、大きな特徴がある。それは、為政者や公権力の中枢にいる人物にスポットをあてていくのではなく、市井にいるもの、地方の足軽、陶工ややくざもの、そして、山師や鉱山師といった人物たちが物語を動かしていくことにある。

 文体は軽やかでなめらかというわけにいかないかもしれないが、骨がありずしりと読み応えがある。それも魅力。こんなところもたなか踏基の熱烈なファンが増える一因でもあるのだろう。

 過去、信州の小谷の千国街道や、白馬の観音原、安曇野など彼と一緒に取材行した地が何度となく小説に登場している。また8年前、歴史小説ではないが第2作の「奇妙な猫たち」のはしがきでは私の実名も文中に、これはうれしいやらちょっとばかり恥ずかしいやら。