信州とカラマツ・その2

  例えば、私が先に行った乗鞍高原や軽井沢・浅間高原、また蓼科高原でも、ドライブすると車窓から見える森のほとんどはカラマツ林である。芽吹きや新緑の時期や紅葉はとても美しい。カラマツはマツ科のなかで唯一紅葉し落葉することから落葉松ともいわれる。何年か前の林業統計によると、長野県は北海道、岩手に次ぐ全国第三位の森林県で県土の78%が森林であり、そのうち人工林面積に占めるカラマツ林の割合はなんと52%と長野県でもっとも植林されている樹種であるという。

 昭和40年代(1965〜1975)の拡大造林期に、寒い信州でもすくすくと生長するということで大量に植えられた。ヤニが多いので水に強く、当時は土木用の杭や建設現場の足場などに使われていたが、鉄パイプなどの代用品に取って代わられ、しかも用材としてはヤニのせいでねじれ・くるいが生じるので使えず、大量の輸入材にも押され、現在は枝打ちや間伐などの手入れもままならない、という悲観的な状況とも。写真は乗鞍高原