信州とカラマツ・3

 信州の山には圧倒的に植林されたカラマツが多い。これを何とか少しでも宝の山に変えられないか。これまではネジレが生じるなど利用が難しいとされてきたカラマツも、行政や民間事業者の長い取組みの結果、長野県内には技術が蓄積され、現在ではこの艶やかで美しい材料を問題なく利用できるようになってきているとか。

 ネットに出ていた記述によれば...
 カラマツの特徴の中に、重要な3つのキーワードがあるという。はじめに、「成熟材」。一般的に扱いづらいと言われているカラマツ。それは樹齢20年未満の未成熟材に顕著な傾向。樹齢20年以上たった成熟材は螺旋木理(螺旋状に分裂している細胞構造)の傾きも落ち着き、また県内の乾燥技術の進歩もありその欠点は克服されているという。

 次に、「晩材」。成長期後半に形成される「晩材」は細胞壁が厚い。カラマツは晩材の割合が大きいため、強度の大きい材料が豊富に製材できる材木だといわれている。

 そして、「壁孔閉鎖」。水分を細胞間で浸透させるためにある壁孔。カラマツの晩材(心材)ではこの壁孔が閉鎖する事が多く、水が内部に染み込みにくいため、材は腐りにくい。蓄材量が多く腐りにくいカラマツ。外壁としての利用するのに非常に適した木材だというのである。カラマツ材を中心とした県内林業の復活を望むばかりである。写真、乗鞍高原スキー場にて。見える山の木はみなカラマツ。