アイデンティティって?、その1

 いわば流行語的にも用いられ、こうした表現をすると一種、かっこよくもエラソウにも見える言葉だが、ほんとはよくよくわからない言葉ではある。ネットには、1 自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること、主体性。自己同一性。2 本人にまちがいないこと。また、身分証明。などとでていた。また、物や個人がさまざまな変化や差異に抗して、その連続性、統一性、不変性、独自性を保ち続けることをいうとも。ここではごくごく簡単にいえば、自己同一性とはよくわからないが、主体性とか、自分らしさということなのだろうか。

 アイデンティティとは、本来、社会心理学において提唱された概念であるというが、1950年代にアメリカの精神分析学者E・H・エリクソンが特有の含蓄をもった概念として用いて以来、広く人間諸科学のキーワードとして定着したという。彼によれば、アイデンティティとは「自己確立」ないしは「自分固有の生き方や価値観の獲得」にほかならない−−ということのようである。写真、アイデンティティというタイトルの映画も...。