害虫回想記・9、蠅取紙他

蠅帳(蝿入らず)。四面または三面を金網で張った台所に置く小型キャビネットのようなもの、一方に食品を出し入れする引戸・開閉戸が付いている。冷蔵庫が普及する前のもの。蝿がたかるのを防ぎ、腐敗しないよう風通しもよい。金網も緑色だった。

 蝿除け。食物に蝿がたからぬようその上に覆いかぶせたもので、木や竹・鉄線の枠に金網を張ったもの。パラソル式に織りたたみできるものなどあった。丸いちゃぶだいにごはんなど食物がのり、この蝿除けがかぶさっていた光景を思い出す。食物でなく赤ん坊や寝ている幼児などにかぶせたものも。こっれは今でも使っているだろう。

 蝿たたき。古ハガキでも作ったと前号で書いたが、普通細かい金網やプラスチックの網状のもので出来ていた。蝿を叩く部分は、縦横、15センチ×10センチくらい。一部屋にひとつは必需品だった。蝿をこれで殺して洗わずそのまま使ったりすると不衛生極まりない。

 蝿取紙。これも前号でも書いたが、蝿取リボンとも呼んだ。比較的安い割りには蝿がよくくっついた。しかし、あくまで他力本願。今でも商品として売っているらしい。 
 
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