北海道にはない(?)村々鎮守さま!

 市街からはちょっと離れた、私が住む信州は松本市里山辺地区、薄川沿いの八坂神社(写真)。境内にあった説明書きによれば、この神社はすでに西暦1500年代には存在し、1549年(天文18年)、時の松本城小笠原長時が、建設年次・由来などを配下に調べさせたがわからなかった、という文書が残っているとか。

 国内各地に無数はあるだろう村々の鎮守様はじめの神社仏閣、祭りの時以外はうっそうとした森のごくひっそりした小さな古いお宮も、実に400年、500年と歴史を経ているものが多いのである。

 知人の娘さん、北海道のとある地方の大学に入学した。若いのに古いお宮やお寺を見て歩くのが好きとか。その彼女が帰ってきていうのには、まわりにはそういう古いお宮などなくつまらなくさびしいと。

 北海道、明治以前は和人の住む範囲はごく限られた範囲だったろう。アイヌ人は社を作って神を祀る発想はなかったようで、内地にごく自然にある何百年もたっている鎮守の森は、ありようもないということになる。

 村々のなんの変哲もない古ぼけたお宮、だが数百年と歴史を積み重ね、村人を見守ってきた。大切重要なことは、四季折々の営み・生活の拠り所、信仰の対象として来た、いわばスピリット、精神風土のみなもととともいえることだろう。