映画「さよなら、クロ」封切りから10年

 昭和30年代もおわり、一匹の黒い野良犬が、信州松本は市街の北の高台にある高校に住みついた。以後10年あまり続いた学校犬クロと生徒・教職員とのふれあいの物語は、今日まで親しみを持って語り継がれている。映画になった「さよなら、クロ」、ストーリーそのものは、フィクションだが、実際のエピソードも随所に盛り込まれている。

 クロの母校は私の母校でもある。クロがいたのは、私が通った時代の一部なのである。原作は私も国語を教わった国語教師、藤岡改造先生の「職員会議に出た犬、クロ」。校内を自由に閑歩し、公使さんの夜警に付き添い、授業にも顔をのぞかせ、時には職員会議にまで参加、職員名簿にも番犬として記載されたり、生徒・教職員みなに愛され、亡くなった時は葬式までしてもらったのは事実だが、映画の物語そのものは創作である。

 2003年、売れっ子の妻夫木聡主演で映画化され話題を呼んだ。なにしろ母校が舞台になっていることもあり、図書館のライブラリーにもあったりしたので何回か借りて来て見ている。映画は途中ちょっとなかだるみしたり、シーンは松本だけでなく、上田の風景が出て来たり、長野電鉄湯田中線が出て来たりと、映画の常でいろいろ合成されている。

 わが母校、別称、トンボ高校、クロの母校としてもいささか有名(?)になったのだが、クロの葬式までした学校、校長さんなのだが、構内にちょっとしたものでもメモリアルな碑でもあれば面白いと思うのだがそれはない。
 信州松本、映画「さよなら、クロ」の母校を訪ねて...(アンクルのHPで紹介)
 http://uncletell.web.fc2.com/sayonara0408.htm