手食の世界・2...ヨーロッパでは長い間、手づかみ食?

 それぞれのエリアを見ると、ナイフ・フォーク・スプーン圏は、ヨーロッパ・ロシア、南北アメリカ、箸を常用する地域は中国・朝鮮・日本そしてベトナムである。手食はそれ以外、東南アジア、中近東、西アジア、アフリカということになる。

  手食との関連で少し細かくみると、東南アジアのタイ、マレーシア、フイリッピンをはじめ、外食の際、スプーンとフォ−クを使うことが一般的なスタイルになってきているという。また汁気の多い麺を食べる時だけ箸を使う。モンゴルでは、箸はあまり使わないが持っていて、肉入うどんを食べるときにだけに使う。
 
 ところでびっくりするかも知れないが、ヨーロッパでは長い間手づかみで食事をしていたいうのだ。ナイフ・フォーク・スプーンのセットが確立したのは15世紀過ぎの近世のこと。(世界旅行−民族の暮らし 2食べる・飲む 石毛直道責任編集 日本交通公社出版局刊・昭57年)ギリシャ・ローマ時代の物語の映画で、食事場面でナイフ・フォーク・スプーンを使っていたら嘘ではないかということになる。