カレーコンパの思い出.・2

 コンパは、クラスでやる場合もあるし、自分の属しているクラブでやる場合、あるいは出身中学校別の親睦会の場合もあるし、生徒会の役員の集まりなどの場合もあるなどさまざまだった。いろんな団体でやるので、かまどと調理場は予約でいっぱいというかスケジュールの取り合いだったのだろう。

 コンパのカレーは、とにかくうまくて楽しくて、その印象が強いせいか、薪は(もちろん燃料は)どう調達したのか、野菜や肉は買うとして米はどうしたのか、多分持ちよったのだと思うのだけれど、そこら辺の記憶は欠落している。煙にむせながら火吹竹を吹いたり、かまどのまわりで火の番したような気がするが、ここら辺もおぼろだ。

 ところでコンパとなれば、ここぞというばかりに活躍するやつがいて、カレー作り、ごはん作りのそれこそ名人が、どこのクラスなどにもいたものである。

 あれから、半世紀ちかくも過ぎ、あのコンパの伝統は、果たして今も続いているのだろうか。あの校舎の間にあったかまどはどうなっただろうか。母校の百年を記念して発行された分厚い記念誌には、このコンパのカレーについては記述はなかった。

 今から20年以上前に見た時はガスだったが設備はまたあったが、10年位前には校舎の一部改築もあり、竈は完全になくたったようである。何年か前、母校の現職の先生と話す機会があったが、コンパはもうないという話だった。