山崎ハコの世界

こちら安曇野池田町、北アルプス展望美術館の企画展で竹久夢二の、大正百年の浪漫「夢二の夢、そして恋」展が開かれており、その関連イベントで、山崎ハコ「ゆめのまた夢」ライブが開かれた。長野や松本のホールで聴けば、入場料5000円くらいは取られそうだが、美術館の入場料込みで2000円というのがうれしい。会場も230人も入ればいっぱいというところ。

テレビには当時登場しなかったので知る人ぞ知るだが、山崎ハコ、彼女の独特の印象深い歌唱は、人によって忘れられないものかしれない。むろんそれが人を惹きつける魅力なのだが、容易に人が真似できないものだろう。153センチの華奢なからだから良くそんな声が出る!

 かって70代半ばか、私も前に書いたように、とめどめなく暗く哀しく、沈み込むうたを歌うシンガソングライターが何人かいた。カルメン・マキであり、森田童子であり、山崎ハコである。浅川マキや初期の中島みゆきもそうだった。

 こうやって実の声でハコの歌を聴いてみると哀しい曲調を含めやはりいい。山崎ハコの世界だ。本人はそんなつもりはなかったと思うが、プロテクトソングにも擬せられた森田童子のうたの思想性(?)は感じないかもしれないが。