信州のうどん・「おとう(投)じ・お煮かけ」

 麺類をなるべく細くソーメン状(細めのゆで上げうどんでもむろん可)に切って、ゆでて、平ザルに一口分くらいいくつかにまとめて置いておく。一方大鍋に季節の野菜や凍み豆腐、油揚げなどをたっぷり入れて味噌汁(醤油味の時も)を作る。煮ながら各自でとれるようにテーブル上にケイタイコンロなどが具合良い。先ず、とうじかごに一人前のソーメンを入れ、これを汁の中にそのまま入れ、箸で野菜などの具をのせソーメンにたっぷり汁を含ませるようにわんに盛って食べる。
 
 大根おろしやゴマ汁、クルミ汁(ゴマ・クルミをすり、煮汁でのばす)を掛けて食べることも。寒い夜など、おなかの中まで暖まる。冠婚葬祭の客寄せの際、これでもてなす。長野市西方の西山地区や東信の郷土食。

 なお、とう(投)じかごはうどん一玉分が入るほどの小さなザルで30センチほどの柄が付いている。おとうじ・お煮掛けは秋から春の食べものである。また麺は、うどんでなく蕎麦の場合もある。信州の中央、中信地区では、「とうじ蕎麦」といって、蕎麦でやる方が一般的であり有名である。