信州(しんしゅう)という呼び方・1

 先に(9月27日)、長野県は、”信州県”になります、なんて書いたところだが、私が住む長野県は別名、信州という。別名というのはなんだかおかしいのだが、わが長野県においては、ひんぱんかしょっちゅうか、この信州といういい方が登場する。特に県都長野市を離れて遠い中部(中信)、南部(南信)において、その傾向が強いのではないかと思う。

 昔々の呼び方である国の名前が、これほど今も生きていて常時・ひんぱんに言い交わされている県は、信州・長野県をおいてほかはないだろう。信州といういいかたが、とても呼びやすくてしっくりするのだろう。甲州や上州などのいい方も残ってはいるのだが、その中では断然一番に、マスコミはじめ、国中の人々にも広く愛着・親しみを持って呼ばれている、使われていると言っていいだろう。

 長野県内では、信州といういい方がすっかり生活に密着している。江戸時代から使われ、”長野県”よりずっとその歴史が長いこともむろんあるだろう。これは想像だが、昔の国の名・信州を頭文字等に取り入れた企業・団体・組織は相当数あると思われるが、これはきっと国内一ではないか。それほど”信州”は、県民・信州人の気候・風土・気質を表すのに相応しく、ぴったり・密着している証左でもあるだろう。