もの想う秋は、浪漫なセンチメンタルなクラシック曲を聴こう!

 今年の夏は異常なほど暑く長く、彼岸近くまで真夏日を記録するほどだったが、さすが10月も半ば、アルプスには雪の訪れ、秋が深まってきた。私の住む信州でも、安曇野には冬の使者コハクチョウが飛来し、紅葉も高地山岳から高原、そして里へと降りつつある。盆地でも紅葉の早い桜や桂の並木は色づいている。

 私のメールマガジン「クラシック炉辺夜話」を出してからもう12年ほどになる。そして毎年秋の特集、”もの想う秋の浪漫クラシック選”も10シーズン目。昨日発行の10月15日号からその一曲を紹介しよう。

 モーツアルト/ピアノ協奏曲第21番ハ長調

 1967年制作された(日本公開は翌年)スウェーデン映画『短くも美しく燃え』でこの曲の第2楽章が使われ評判を呼んだ。この映画の圧倒的な成功によって、一時期、愛の映画に、モーツアルトが流行のように使われたとか。現在でも、この楽章だけは、いろいろな場面で流されることが多いという。

 映画音楽に使われ第2楽章、アンダンテ、ヘ長調。確かにロマンチック、センチメンタル、抒情的な美しさをたたえた、いつまでも聴いていたいような美しい調べである。