きみよ そらの青さを知るがいい...


きみよ
そらの青さをみつめるがいい
そらの青さは損ないはしないから
そらの青さはぼくの青さなのだから

きみよ
あのくもをつかまえてごらん
くもはとらえられはしまいから
あのくもはぼくのこころなのだから

きみよ
ひとり山を歩いて
あの沢なりのひびきをきくがいい
まひるなく虫の音を
それはぼくの涙のながれだ
はげしく打つ
それはぼくのかなしみのふれあう羽音なのだから

きみよ
よる山小屋の窓にうつる
あの星ぞらをみてごらん
きみの星とぼくの星がはなし交わしているのを
二つならんでひかる星さえも
それは何万光年とへだっているのだよ

きみよ山の頂きにいて
谷から吹き上げる風のにおいをきくがいい
きみにはわかる
ぼくのつくったメルヘンが
風にとけこんでいるのが

きみよ
そらの青さを知るがいい
そらの青さは損ないはしないから
そらの青さはぼくの青さなのだから

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 実はこれ、大昔 私が18,19の頃作った詩である。ロマンチスト、私もいっぱしの文学少年だったのかも。
とうに忘れ去ってしまっていたが、**年前、偶然ある印刷物に載っているのを発見。自らの中に蘇った次第。
詩は、その頃好きだった一人の少女のことも念頭にあったのだろう。