高橋竹山の津軽三味線と歌を聴く...


 上旬の7日、自らも尺八・三味線・琴をする友人のダビンチ氏を誘って白馬村で行われたコンサートへ行った。きっかけは、7,8年来の友人であり、白馬森上の喫茶店ぷうのママ・桂子さんから、こんなコンサートがこちらであるんだけどアンクルさんいかがですかと、すすめられたことによる。

 2代目竹山、彼女の三味線も歌もトークも実にすばらしく、感激、印象深かった。いささかショックを受けたといってもいい。三味線の響きと音色が、魂を揺り動かす、本能を呼び覚ますといっても過言ではない。力強く、激しく、その一方で繊細な独自の音色。津軽三味線という楽器は、野外、飯場、掛け小屋など悪条件で演奏されることが多く、必然的に大きな音が要求され、更に感覚より本能に訴えかける必要から、強く激しい芸が求められたという。

 彼女は2代目、今は50代なのだろうが、若く美しい。彼女がトークの中で語るには、幼児から三味線は親しんでいたが、17、8才の時、初代竹山の演奏を聴き衝撃を受け、いてもたってもいられず、青森の竹山の元へ押しかけ、強引に弟子にして貰ったという。その辺のことは詳しく話さないが、想像するにそんなに簡単に弟子を受け入れたとは思えないが...。

 それから20年あまりの長きに渡り、弟子と師匠として暮らし、海外を含め演奏旅行を伴にした。その間の研鑽・努力は並大抵のものではなかったたろう。しかし、2代目を引き継ぐのを認められたことは、彼女にそれだけの技量と才能があったことの証左だろう。2代目竹山さん、今は白馬からはさほど遠くない、新潟県糸魚川市に住んでいると聞いてびっくり。

 写真2は、私が1973年に購入した初代高橋竹山のレコードである。