フレーフレー

 ロンドンオリンピックもいよいよ終幕である。この稿を書いている時点で、金メダルの数が少ないのがちょっと寂しいが、日本は37個と、過去最高と同じメダル数を獲得。期間中、日本国中、テレビの前でも、応援、歓声、興奮、歓喜、落胆が渦巻いたろう。

 以前といってももうだいぶ昔のことだが、当時日本サッカー協会理事(2012年6月最高顧問を退任)だった岡野俊一郎氏の講演をきく機会があった。

 岡野さんは当時、ラジオ電話子供相談室の解答者としても活躍。その中で小四の子から、運動会などで、「フレーフレー」と応援するけれど、これはいったいどこの国の言葉かという質問され、答に窮したという。

 この話を聞いたとき、少なからぬショックを受けたのを憶えている。頭の固くなった大人には、とても「フレーフレー」が何語であるかといった疑問さえも、発想も湧かない。

 大人の世界には、当然そういうものだと、疑問も起こさず通り過ぎていることや、いわゆる既成観念とか固定観念だけでものを見るということが、実に多いのではないだろうか。

 日々の生活の中でも、時にはいわゆる知識や経験また常識というものを捨て、無心に考えて見ることが、なにごとにも因われない、自由かっ達な発想が、より大きな独創につながるものだと思った。

「フレ−フレ−」は、英、独、露、に共通の擬声語。外国では、万才、歓呼、喝采などに使われるそうだ。写真は日本6個目の金メダルをとったボクシング男子ミドル級(75キロ以下)の村田諒太選手。TV画面より。