「こんな句を作ってみたい野菜たちで」

 「ピーマン切って中を明るくしてあげた」
 
 図書館から池田澄子さんという俳人のミニ句集を借りてきた。パラパラとページをめくっていたら、この句に遭遇。いわゆる俳句らしからぬ句がいっぱい載っているのだが、この句には特にひかれた。いささかショックも。

 作者は、−−こういう完全痴呆的な句を、もう一度作ってみたいと思うことがある。知性にも知識にも関係ない、主張も見栄もない句。そんなの簡単と思うけれど、案外出来ないものだ。−−言っている。私もいろいろ思いをめぐらしているが、やはりやさしくはないようだ。