「桑の実を食べる子等なく時過ぎる」

 今は桑の実を食べるこどもたちもいない。というより桑の実が食べられおいしいことも知らないだろう。前日にも書いたが、そういうこども同志の遊びの伝承も途絶えて久しい。

 桑の木は、桑畑だけでなく良く道端にもあった。学校の帰り道なんかでも、ちょっと道草をして口端を真っ黒にして、熟した桑の実をむさぼり(そんな感じだった)食べたものだ。濃い紫色に熟した桑の最高はうまかったが、時にはまだ赤い実のものまで食べたものである。蟻がちょっと2、3匹たかっているのも意に介せず食べたことも何度か。

 イギリスなどでは、ジャムをとるための桑畑がけっこうあるらしい。日本でも道の駅などで、このジャム、わずか買うことが出来るところも。高いが美味である。