「ためいきと見果てぬ夢と春時雨(しぐれ)」

 金子兜太監修の「元気なうちの辞世の句300選」(中経出版)とい本を読んでいるが面白い。辞世の句といってもそれらしくない句もいっぱいあって、10代から80代90代とさまざまな年代の人の句が載っているが、どうも公募で集めたらしい。読みながら、自分の句もそんなものの一つかなあと勝手に...。

 大志・大望をいたいたわけでない。果敢なチャレンジをしたというのでもない。そこそこの夢も大方は果たせぬままに...。今はそれらを通り越した諦念と哀感と安堵が入り交じった境地・心情ともいうところか。

 時雨は、晴曇定めなく断続して降る急雨であるが、春時雨には明るさがあり春雷を伴ってにわかに春色のときめきを覚える..と歳時記に。春時雨もまたこの年の春が一段と進み、まわりの景色も陽光もより明るく春色に。