オオハクチョウとコハクチョウ・その2

 オオハクチョウコハクチョウ、生活環境適応能力は小型のコハクチョウの方が勝っているようにも見える。すなわち、コハクチョウの方が冬はより南の地域へ飛んで行き、夏はより北方を棲息地としている。日本でのコハクチョウの一番遠方で南の飛来地は、宍道湖・中海。オオハクチョウは、富山県の例はあるが、一般的には南限は北緯37.5度あたり、新潟県の北部、福島県あたりだろう。もっとも中国では、オオハクチョウコハクチョウも緯度的には日本よりかなり南の地域、コハクチョウでいえば華南まで冬鳥としての分布が広がっている。

 夏・繁殖時期は、オオハクチョウバイカル湖あたりの緯度から北極圏あたりまでに棲息し、コハクチョウはその外側、北極圏から北、北極海沿岸の湿地帯をエリアとしている。英名Tundra Swanの名の通りである。シベリアというけれど私たちがイメージする地域よりだいぶ北方に住んでいるのである。写真、安曇野・御宝田遊水池で。エサをくれる様子を見せるとカモ・白鳥がよって来る。