バッハのオルガン曲

] オルガン曲のあの荘厳で重厚な響きに魅せられ良く聴いた頃があった。その動機になったのが、「トッカータとフーガ」二短調、「パッカサリア」ハ短調、「フーガ」ト短調、これらの曲はバッハ否、すべてのオルガン曲の中でも傑作中の傑作といわれるとか。

 何かの著作の中で、音楽評論家の村田武雄氏だったか、志鳥栄八郎氏だったか、大木正興氏だったか、それとも外国の著名な音楽人だったか、はっきり覚えがないのだが、これらのバッハのオルガン曲のことを指して、−−−「まだ、これらの曲をはじめて聞くという喜び、感激を持っているあなたの幸運をうらやむ」というような主旨のことを言っていたのを読んだことがある。

 そんな風にまでにいう音楽とはどんなものだろうかと、すぐ影響を受けて購入、聴いてみたものだ。実際聴いてみて、そういうものかなあという感じはしたが、トッカータとフーガニ短調などを耳にするとき、いつもこのことを一緒に思い出すのである。「刈田道 妙に明るく バッハ聴く」