高原のひろいもの

 信州中部にエリアを持つ八ヶ岳中信高原国定高原、その最北端に広がる標高1900m〜2000mの高原、美ヶ原高原。国内でこの標高を有する高原としては最大の面積を誇る。松本からは行くコースは二つ、市街から美鈴湖を経て、林道美ヶ原高原線を美ヶ原自然保護センタに至るコース、入山辺からアザレアラインを三城牧場、扉峠、ビーナスラインを経て山本小屋に至るコースである。

 その林道美ヶ原高原線の終点、美ヶ原高原自然保護センターの展示、「高原のひろいもの博物館」はおもしろい。食物連鎖が広がる高原に生まれ高原に死す。生のすぐ隣に死がある。ホンドシカの角を手に取ってみるとずしりと重い。牛の短い角もあったが、中は空で軽かった。高原に放牧される牛は、春連れて来られて秋には山を下りるので、四季を通してここにいるわけではない。