害虫回想記・その6、蠅(はえ)の巻・1


 蚊が登場すれば、ゴマのハエこと、蝿にも登場してもらわねばならない。蝿は、昨今ほんとうに見なくなった。これも長い間の衛生施策の積重ねの賜物だろう。でも皆無になったわけでもないので、時々飛びこんでくる。この一匹がうるさく、室内を執拗に追いかけるなんて光景は誰しも経験していることだろう。

 今はもうハエタタキなるものもなかなか売ってはいないのでは。昔は学校の工作でも作っものだ。ハガキの古いのなんか張り合わせて..。

 ハエ取り・ハエタタキの名人なんてのもいた。一発必殺などといって..。ハエもさるもの、一タタキを逃れるとちょっとだけ向こうへいって留まり、平然と足すり手さすっている。この小憎らしさ。ムラムラっと闘争心、敵がい心が燃え上りハエとのイタチゴッコがしばし続く...。