信州蜂の子物語・3、アシナガハチの子も...

 私がこどもの頃は、ごく普通のハチ、軒下や石垣などに巣作っている身近なの種類のアシナガハチのハチの子もよくとって食べたものである。石垣の隙間を竹竿でつついて、ハチが竹竿沿いに自分めがけて一直線に飛んで来たなんていう怖い思い出もある。

 フライパンで炒っている時の香りは何ともいい。思わずつばきが出る感じ。時には炒るなんてこともせず、巣から取りだしたハチの子は、乳白色でぶよぶよしていて一見うじ虫に似ているので、生で食べるには、かなり勇気がいるものかもしれないが、こどもたちはまったく意にも介せず、ヒョイヒョイと巣穴からつまみだして食べたりもしたものである。