「健康寿命延伸都市」信州松本の全国公募「老いるほど若くなる」展を見る

 2年に一度開催の「老いるほど若くなる」展。2003年(平成15年)に始まった絵画による全国公募展。「健康寿命延伸都市」を目指す松本市独自の企画として定着、今年で第5回目。43都道府県の70歳から96歳の方まで、過去最高の473名のご応募があったという。審査を経て入賞・入選した作品109点を展示。70歳以上の年長者だけが応募出来るユニークな美術展。長い人生、それぞれの生きざまがにじむ作品は、観るもの心を熱く、揺り動かすだろう。

 日本画・水彩・油彩・アクリル画・版画・水墨画・コラージュなど多種にわたる出品作のテーマは自由。歩んできた人生それぞれに多様な価値観があり、個性あふれる表現の作品が集まった由。

 案内のリーフレットには、−−煌くまばゆい光あり、ほのかにやさしい光あり、静かにまたたく光あり。満天の夜空に広がる星のように、その存在の光ひとつひとつが、崇高で、豊かな輝きを放っている−−と。
 
 しかし、展覧会の「老いるほど若くなる」というタイトルはどうも感心しない。”老いる”というのはやはり禁句である。老いるほど若くなるというのでは老いないということではないか。このタイトルが気に入らず反発して応募しない人もいるようなのである。副タイトルの−−70歳以上の公募による美術展、はやむを得ないとして、何か工夫ははないものか。例えば、−−人生、いつまでも青春展−−とか。

 写真は、案内リーフレット、最高賞・グランプリ天衣賞の大橋裕一氏《地獄極楽図》油彩・71歳・神奈川県を掲載。