フールプルーフ(fool proof)とフェイルセーフ(fail safe)・その2


安全には、このように自動的に危険が回避されるというシステムが最重要なのである。人間の注意には限界があることをはっきり認識する必要がある。

 ところで自動車の運転は、その安全の多くがドライバーの注意そのものにかかっているため、なかなか事故を減らすことが出来ない実態である。昨今は、自動車の衝突回避装置の研究・実用化も進められているが、大いに期待したい。

 このフールプルーフとフェイルセーフの考え方は、仕事や家庭の実生活にも実に役立つ示唆に富んでいる。テーブルの端にコップがのっているから、壁から釘が出ているから注意しなさいというより、端になどコップをのせないように、また出ている釘をすぐ引き抜くことの方がずっと肝要なことなのである。

 よく人が間違いを犯すシステムがあったとしたら、その人がおかしいのではなく、そのシステム自体がどこかに欠陥を持っていると考えるべきである。

 また、安全には想定外などということがあってはならないのである。