”特殊化”・・・・人間は変化に適応性の高い動物

  昔、学校時代、生物かなにかの授業のとき、「生活が特殊化した動物は、袋小路に入り込んだ動物だ」 また、「生活の特殊化は、それが種の発展(例えば種の分布圏をひろげること)と矛盾するようになったさいには、むしろ退嬰的な特殊にかぞえなければならない」、などときいて、強いインパクトを受けたことがある。

 体の一部位やある特定の感覚や機能だけが異常に発達した動物は、種として衰亡の道を歩み始めるというのである。

 たとえば、首や鼻が異常に長くなったキリンやゾウなど、特定の環境の元でしか生きていけない。むしろ、形態的な特殊性の目立たない動物の方が、その生活において優位を占めるというのだ。

 それに比べ、人間は他の霊長類に比べて肉体的特殊性が少ないという。このように人類は、各部位や機能が平均してバランスよく発達し、その知恵による文明の利器の助けを借りてという部分もあるが、熱帯から極地まであらゆる環境・気象条件の中で適応して生きている。

 人間は、特殊化の少ない、むしろ一般化された動物なのである。(写真、首が異常に長くなったキリン)