続・もちはなし、自動もちつき器の盛衰

  ひところ自動もちつき器といのがもてはやされたことがあった。今や物置の隅に放り込まれているか、正月が近づくと思い出したように引っ張りだす人も多かろう。

 ハレの食べ物だったもちを、家庭で一年中いつでも容易に食べられるようにした功績は大きいのだが、ジューサーにしてもそうだがこの種の道具は後始末が大変。ものぐさな人にはなかなか使いきれない。その内にビニールパック入のもちが広く出回るにつれすっかりブームが覚めてしまった。

 もっとも商品としてのもちつき器がなくなったわけではない。「調理器具として年中使える」をうたい文句に知恵を絞り、いろいろ機能を付加し進化。自動もちつき器には他の電気調理器にない「こねる」という得意技があり、パン生地やうどん生地への応用が効くという。最近は「一気ひたし」という機能が注目されている。

 それまではもち米を水につけて6〜12時間の浸しを必要としたが温水を使うことにより1時間程度に短縮が可能になり、思いたったら2時間でつきたての餅が食べられる。