モンテッソーリ教育

 昔、長女が子どもだったころ通った幼稚園は、モンテッソーリ教育というのを取り入れていた。それがどういうものか、よくわからなかったが、例えば、教室の棚にはいろいろな遊具のほかに、はさみやナイフ、包丁やまな板、針、糸、布切れ、それにきうりやなすの野菜などもおいてあった。
 
 はさみや包丁、普通の家庭ならすぐ、「あぶない、あぶない」と取り上げられてしまいそうなのに、 園児たちは自由にそれらを操って、 実に生き生きと遊んでいるのである。5才くらいになれば、大人の真似をして、そういう道具を使ってみたいという欲望も強くなるし、また使い方を誤れば、けがをすることもわかってくる。

 子供たちは、先生のまた年長の子の細かい手つきを瞳をこらしてみていて、そのとおり真似をするのである。「ダメ、ダメ」ばかりでは、伸びようとする子供の内に爆発するものを押さえることになるし、なにより手先を動かして道具を使うことは、脳を刺激し集中力を養い、筋肉の調整になるのだという。
 
 これはまたいわゆる固定観念、常識的な発想が、弊害にもなる一例でもあるだろう。身近にごく普通にやっているあたりまえと思っていたことも、180度発想を変えて見直してみる必要もある。

 モンテッソーリ教育は、 マリア・モンテッソーリ(Maria Montessori 1870-1952) イタリアの女性教育家・医学者が創始した教育法。

 モンテッソーリの著作の訳者の解説によれば..例えば....、モテッソーリは、子どもの教育の実践と観察の中で、−−子どもというものは本来移り気なものであり、外からの強制的指導が不可欠のものであるという従来の考え方は正しくないと認識。
 
 子どもは、受容的存在として、おとなや教師が教え込んだりしつけたりするのを待っているものではなく、自分の中に成長していこうとする、内的生命力を本来持っているものである。それは、条件さ整えられれば、機会さえ与えられれば、内からわき出てくるものである。このような、児童の精神の中に備わっている内的生命力を尊重していかなければ、真の教育はとうてい達しえない
ものであるとするところに、モンテッソ−リの教育思想の中核がある−−というのある。

 モンテッソーリ、マスコミで特に話題になることはないが、今もむろん行われている。ネットを引くといろいろ出て来る。子供を普通の幼稚園に通わせているが、モンテッソーリの園が良いと聞くので、転園させるべきかというような質問があり、それについてのやりとりも載っていた。写真、”モンテソーリ教具”でヤフー検索し出てきた画像の一つ。