止める、戻る、引き返す勇気と決断

 前に、道は一つではない選択肢はいくつかある、また止まってみよう立ち止まってみようと書いたが、それ以上に何ごとによらず一旦スタートしてしまうと、止める、戻る、引き返すということは実際問題かなりの決断と勇気が必要、至難なことだ。人はあの時、途中で止めておけば良かったと振りかえることが一つや二つはあろう。もしかして間違えたのではと思っても、動き出して勢いもついているとそのままつっぱしってしまうことも多い。個人の人生も然り、会社や役所の事業も然り。

 会社の事業など成長期・バルブ期ならば、全体が右肩上がりで多少とも良かったかもしれないが、今はそうは行かない。事実、誤りがわかっても修正しないまま、多くの企業が倒産の憂き目に会っている。

 今はチェーン店の出店など、採算がとれないもうからないとわかると実に撤退も早い。ところが図体の大きい会社とか、公社公団、公共事業などはなかなかこうは行かない。もう気が付いてもただ前に進むしかなく、ずるずると深みにはまって動きがとれなくなる。かって連日新聞紙面やテレビの報道をにぎわした通りである。

 ダム工事とか道路工事、干拓工事など、一度事業がスタートするともう途中では止められない、止めてはならないというのを是認するような社会のムードがあった。しかし、これからは公共事業はじめあらゆる面で、時代に沿うフレキシビリィ、それを実行する果敢な勇気と決断力が求められている。

 もっとも個々の人生行路では、何であの時途中で止めてしまったのかと後々悔いたりすることもあるのだから難しい。写真、また工事再開?、群馬県の八ツ場ダム、ヤフーの画像検索より。