安曇野(あづみの)の小径

 信州・安曇野、しんしゅう あづみの、何よりこの語感がいい、安曇野を魅力的なものにしているのに、この語のひびきの良さが大いに寄与しているだろう。私もあやかってというわけでもないが、もう10年にわたってメールマガジン安曇野(あづみの)通信」を発行してきたところ。そこで折にふれ安曇野のすばらしさを書いて来たのはいうまでもない。

 安曇野の小径は雑木林の道である。散策逍遙の道であり、思索の道である。春から夏は緑濃い緑陰の、そして錦なす紅葉の、晩秋は樹間が明るくなり、かさこそ落ち葉を踏みしめる道である。冬は雪があったりなかったり..。

 安曇野の雑木林の道は、山麓線や中房温泉線などから枝分かれし森の奥深く延びている。いつも山麓線などメインの道路をクルマでスピードを上げ疾走している人には、安曇野の小径のほんとうの魅力やすばらしさ、実際にそこに立って、全身で感じる森の精気、フィトンチッドを浴びて、リフレッシュする感覚はわかるまい。

 安曇野はいわゆる高原リゾートという感じではない。生活の場である農村と観光スポットが混在している。本質的には信州の他の農村地帯とそんなに違いはないと思うのだが、えにいわれぬ不思議な魅力を持っている。写真は、安曇野山麓線沿いのアジサイの小径。森の絵本美術館のある通りである。