フォーレの夜想曲(ノックターン)もいい...

 夜想曲(ノックターン)といえば誰でも思い浮かべるのがショパン。確かに多くの人に親しまれ愛されている名曲である。ショパンほど広くは知られてはいないが、フォーレ(ガブリエル=フォーレ・1845〜1924・フランス)にも13曲の夜想曲(ノックターン)がある。

 このフォーレ夜想曲(ノックターン)13曲、ショパンの曲に劣らずすばらしい曲ばかりと、私は思っている。長く10年来、「クラシック炉辺夜話」というクラシック音楽を話題としたメールマガジンを私ことアンクルは発行しているが、最近の号の特集、「無人島へ持って行くCD10枚」にもこのフォーレ夜想曲(ノックターン)を入れたところ。 

 私は以前からフォーレの人と作品には畏敬の念で接しているが、さすがにフォーレの曲である。1、2回聴いただけではその良さは良くわからなかったが、聞けば聞くほど、味わい深く、魅力が増し、好きになってしまった。その夜の闇に放つようなほのかな光と香気、気品と美しさ、リリシズム。デリケート、内向的に秘めたるパッションとロマン。

華やかなフットライトが浴びせられることの多いショパンのそれと比較すると、いかにも地味な感じで、夕方になって咲き出す月見草のようといえなくないのかもしれない...とは音楽評論家の吉井亜彦さん。私は、地味・月見草という感じは受けなかったが。写真は私の愛聴盤、エリック・ハイドシェックのピアノによるフォーレ夜想曲全集(EMI)。