「夏の朝一杯の珈琲バッハの調べ」

 信州中央の盆地、夏の朝は過ごしやすい。朝食後の一杯のコーヒー。バッハのピアノ曲でも聴きながらのひとときはまさに至福、くつろぎの時間である。今朝聴いている曲は、グールド演奏のイギリス組曲

 ところでコーヒーはいつごろから一般の飲まれるようになっただろうか。ウイキペデアを見たら、16世紀にオスマン帝国(トルコ)からバルカン・ヨーロッパに伝わり、17世紀中にはヨーロッパ全土に広く伝搬したとある。

 バッハの世俗カンタータにコーヒーカンタータという曲があり、私が出しているメールマガジン「クラシック炉辺夜話」で紹介したことがある。それは、コーヒーが好きで好きでたまらない娘と、それに手を焼いている父親のやりとりをユーモラスに描いた作品。作曲された1734年当時、ライプチッヒでも盛んだったコーヒー熱を、その中毒気味の娘とそれを直そうとする父親のやりとり、という形で皮肉ったものという見方もあるとか。

 私が東京へ出掛けた時の常宿にしているホテルの隣に「カフェ バッハ CAFE BACH」という店があり、1968年創業、チェーン店かと思ったらそうではないらしい。焙煎珈琲についてもバッハについてもこだわりの良い雰囲気の店である。