「混迷の21世紀よ花いばら」

 21世紀がスタートして14年、輝ける21世紀どころか、前世紀と変わらず紛争やテロも世界あちらこちらで勃発し、混迷の度合いを深めている。人類社会、人間社会の矛盾やゆがみも所々吹き出している。地球温暖化原発処理など差し迫った課題も多い。

 1960〜80年代、私が学んだ学校の師、故末川博博士は、ことあるごと学生たちに口癖のように語っていた。”君たちは21世紀に生きる人間だ、君たちが21世紀をつくるのだ...。その尊い未来と生命を自ら汚してはならないし、他から奪われてもならない。”実に心に響く印象的な言葉だった。そして卒業生へのはなむけの色紙にも記していた。私も大事に今も持っている。その色紙から先生の言葉をぜひ紹介したい。
 
「未来を信じ、未来に生きる、そこに青年の生命がある。理想は高く、姿勢は低く、学習を終生の業として一歩ずつ前へ前へと進もう。諸君の青壮の意気を21世紀の平和とすばらしい歴史の展開につながることを思うて、その尊い未来と生命を、自ら汚してはならず、他から奪われてもならない。」先生のこの言葉と21世紀の今の現実とのギャップを思うと、私は涙ぐむこともある。

 21世紀はまだ85年あるが、正に難問山積み、悲しいかな前途は洋々とはとても...。戦争と紛争・テロにしても、正直とうていなくなるとは思えない。それは今までの長い歴史が証明しているともいえるが..。人類がそれを学習し、少しでも叡智を働かせることが出来るか。しかし悲観的ばかりになってもいられない。人類の叡智、人間の知恵を信じよう。果たして宇宙船地球号、世紀末にはどのような地上に着地するだろうか。そこに出現している世界と日本は?