”ねこふんじゃった...、”その2

 この曲、楽譜で見るととても複雑そうなのだが、鍵盤上では黒鍵を駆使して非常に単純に弾きこなせる。故に小学生でもものの30分もあれば弾けるようになるとか。では、いつごろから日本にあるのだろうか。どうして”ねこふんじゃった”などというタイトルがついたのか。

 それはどうも太平洋戦争後のことらしい。戦前に主に暮らした人にはどうも縁がなかったようである。いつ誰が持ち込んだかわからないが、ネットに出ていた宅内庄郎という方のウェブによれば、関東に上陸したとにらむ。なぜなら、「踏んじゃった」というのは関東の言葉で、関西ならアクセントからして 「犬踏んでもた」 になるところだ。もしかして、横須賀あたりの外人居住地から広まったのかもしれない..とも。

 「音楽コネタ・おもしろ雑学事典」(瑞穂れい子著・ヤマハミュージックメデア」という本の中には、−−終戦直後の子供たちはこの曲を「猫死んじゃった」と歌っていたらしい。で、巷(ちまた)で歌われるその歌を聞いた某レコード・ディレクターは、それではあまりかわいそうだと「ふんじゃった」に変えてレコード化したという。と載っているが。

 「死んじゃった」であれ「ふんじゃった」であれ、曲の感じから日本の子供たちに自然発生的にそう歌われたのかもしれない。原曲はロシアの作曲家、アントン・ルビンシュタインの作との説もあるが、確かなことはわからない。