ガソリンの重さ


 ある友人と以前、クルマにかかる話題の中でこんな会話を交わしたことがある。

 「ガソリンの残りが少なくなって、田舎道などスタンドを見つけるのにあせったことが度々あるので、燃料計のレベルが半分くらいになったら、たいてい入れることにしてるよ。」とは私。

 「気持ち良くわかるが、それは考えものだよ。いつも満タン近くにして走っていたら、40リットル入るとして、ちょっと体重の軽い人か、中学生くらいを一人よけいに乗せて、走っているのと同じだよ。ガソリンにだって重さがあるんだよ!」これは友人。

 なるほど、仮に水と同じ重さだとして40リットルで40キログラム。正直、今までガソリンの重さなのことど考えたこともなかった。レースなどでもひとつのポイントらしい。

 ガソリンにも重さがある。当然の話ではあるが、なかなかそこまでは思いが及ばない、盲点ではないか、なかなか示唆に富んでいる話ではないかと思った。これは別にクルマとガソリンだけの話だけではなく、実生活にもこの種のたぐいのことがいくつかありはしないか。そしてベースにしている出発点ですでに問題を孕んでいるのに容易に気づかないケースなども。
 
 友人からのアドバイスにかかわらず、心配性の私、半分以下くらいになるとガソリンを満たすクセはなかなか直っていない。

 本稿は、先(前身)の「安曇野の小径」にアップしてあったものだが、削除してしまったので再アップ。