表通りと裏通り

 寓居の近く、バス通り裏、メインの通りから引っ込んだ町々をバイクで走る。そこにも家並みがあり、小さな公園があり、川が流れ、小さな社(やしろ)があり、畑があり、人々の生活・営みが広がっている。

 思えば、全国津々浦々、どこの市や町でも、全体から見れば表通りはごく一部、ほとんどはそれ以外、いい方は適切ではないかしれないが裏通りが占めるのである。メインストリートは一見はなやかだが、それは一部、エリア的にほとんんどを占めるといってもいいのはバックストリートの方である。

 いろいろなシーンでメイン以外のところにはなかなか目がいかないのも事実。また、さまざまな分野でスポットを浴びるのは、表舞台で活躍するのはほんの一握り。ほとんどの人はそれを影で、底辺で支えている。歴史の表街道で縦横無尽に活躍した人物の影に、無数の人々の歴史が積み重なっている。ほんとうは、どちらが主で、どちらが従ということはないのである。